65歳以上の方を対象とした米国政府が管轄する健康保険「メディケア」加入について基本情報をお伝えします。
政府が管轄する健康保険「メディケア(Medicare)」
65歳以上の方はメディケアの対象
アメリカには国民皆保険制度はありませんが、65歳以上の国民、および5年以上継続し在住する永住権保持者、また65歳未満でも補償対象の障害や病気を持つ方は、政府が管轄する健康保険「メディケア(Medicare)」に加入出来ます。
「メディケア」と「メディケイド(ハワイではQuest Integration)」は別の保険
「メディケア」と「メディケイド(ハワイではQuest Integration)」は混同されがちですが異なり、メディケイドは、年齢を問わず低所得者に提供される連邦と州政府の健康保険プログラムです。メディケアとメディケイドと両方持つことも出来ます。
4つのパートで構成されるメディケア
メディケアは4つのパートから構成され、どれも費用全額をカバーするものではなく、自己負担額があります。
- パートA(オリジナル・メディケアと呼ばれ入院費用をカバーするもの)
保険料:本人または配偶者が米国で10年以上働き納税した人(40クレジットある人)は無料。40クレジットに満たない場合でも最大 $422/月 (2018年度)の保険料で加入可能。 - パートB(オリジナル・メディケアと呼ばれ、診療と外来医療の費用のカバーするもの)
保険料:2018年から加入する場合 $134/月~(収入によって異なる)。 - パートC(メディケア・アドバンテージプランと呼ばれ、オリジナル・メディケアに代わり政府と契約する民間保険会社から提供されるもので、パートAとパートB、そして大抵のプランにはパートDの内容が含まれる)
保険料:プランによって違い、$0/月から。 - パートD(民間の保険会社から提供され、処方箋薬をカバーするプラン)
保険料:プランにより異なる。
メディケアの加入手続きは時期を逃さずに!
メディケア加入手続きは、65歳になる月の前後3か月間、計7か月間の「当初加入期間(IEP)」中にソーシャル・セキュリティー・オフィスで行い、この期間を逃がすと生涯ペナルティが発生します。
65歳になってもまだ職場からグループ医療保険を提供されている場合、パートAのみ加入しパートBの加入を遅らせて、退職などでグループ医療保険プランを脱退する時に「特別加入期間(SEP)」として加入が可能です。
より良いメディケアを保つためには
メディケアのパートAとパートBに加入したら、パートDのプランも持たないとペナルティの対象となります。ペナルティを避け、より良い内容のメディケアを持つためには、2種類の選択肢があり、加入手続きは保険会社や保険コンサルタントを通して行います。
- 1)オリジナル・メディケア(A&B)+サプリメンタルプラン+処方箋薬のプラン(パートD)
サプリメンタルプランとは民間の保険会社から提供され、オリジナル・メディケアで発生する自己負担額を補うもの。保険料はプラン内容や加入年齢などによる。 - 2)メディケア・アドバンテージプラン(パートC)
メディケアAとBを持つ人が加入出来るプラン。オアフ島では6社の民間の保険会社が提供し、入院、診療・外来医療などオリジナル・メディケアでカバーするものは全て含まれ、また大抵のプランでは処方箋薬のカバーの他、ビジョン、ジムのメンバーシップ、自己負担限度額などの追加のベネフィットもあり。プランは医師の選択肢やカバーされる処方箋薬などそれぞれ少しずつ内容が異なる。
毎年プランの見直しを
毎年10月15日から12月7日までの登録期間に、翌年度のメディケア・アドバンテージ・プランの加入や変更が可能です。
毎年プランの内容が少しずつ変更になるうえ、加入者の医療ニーズも変わることがあるため、この期間中に保険コンサルタントに相談して自分に最も合うプランを選びましょう。
メディケアカードとIDナンバー変更
2018年度からメディケアのカードとIDナンバーが変わります。2018年4月から1年以内に新しいカードが郵送されますので、届いたら次回の診察時に新しいカードを提示しましょう。またこの変更に伴い、カードを悪用した詐欺も増えると思われますので注意が必要です。
旧カード
新カード
【情報提供・監修】
ワシントン智子
保険コンサルタント
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